車椅子を利用する家族との温泉旅行を成功させる方法

高齢の親御さんや車椅子を利用するご家族との温泉旅行を成功させる方法

 
こんにちは、ベルテンポ・トラベル代表の高萩徳宗です。
超高齢者社会を迎え、お足元の悪い方やご高齢の家族と温泉旅行を計画されている方も増えていると思います。
また、ご家族に障害がある方や車椅子を使う方がいて、家族や親せきと旅行に行きたいと考えることもあるでしょう。
 
当社にも「車椅子を利用する家族と温泉旅行に行きたいので、どこか良い旅館、車イスでも温泉が楽しめる旅館やホテルを紹介して欲しい」とのお問合せを頂きます。
 
当社では、旅行のホテル予約やチケットの手配などの「手配だけ」のお手伝いはしていないのですが、お問合せがとても多いので、ここでは、お足元の悪い方が温泉旅行を成功させるための旅の計画の立て方や成功する考え方についてご案内致します。
 
バリアフリー温泉旅行成功の秘訣、考え方
 

●旅行会社に頼らない、間に人を入れない

当社(ベルテンポ・トラベル)では、温泉旅館のご紹介、予約代行は行っていません。
お体のご様子はもちろんのこと、旅の経験値、考え方、バリアフリーに対して求めるレベルなどがおひとりおひとり異なるので、安易に「この旅館がおススメですよ」とはご紹介できません。
 
どうしても手伝って欲しいと言われて、旅館の予約代行を行っていた時期もあるのですが、ホテルや旅館のお部屋やトイレ、お風呂に対して求めるレベルが、お客様ごとに、本当にさまざまで、期待値や求めるレベルが高すぎると、調べても調べても、納得頂けないことが多く、旅行後の満足度も低いという、残念なケースもありました。
 
バリアフリーとひと口に言っても、求めるレベルがさまざまです。
あなたが求めること、期待するサービス、必要な配慮などは、旅行会社など間に人を入れず、直接電話でやりとりをされることをお勧めします。
 
間に人が入ると「伝言ゲーム」のようになってしまい、大切なことがうまく伝わらないのです。
 

●「そちらはバリアフリーですか?」のような漠然とした質問をしない

 
「そちらの旅館はバリアフリーですか?」
「はい、バリアフリーです。」
 
電話でそんなやりとりをして、実際に行ってみたら、多目的トイレがあるだけだった、みたいな笑えない話がたくさんあります。
 
日本はバリアフリー旅行に関する部屋やアクセスに関する定義が法制化されていないため、「バリアフリー旅館」「車椅子対応客室」などの定義があいまいです。
 
これは旅館やホテルが悪いのではありません。受け入れ先の旅館、ホテルは個々に取り組んでいるのですが、「バリアフリー対応」は万人に万能ではないので、限界があることも事実です。
 
私たちは「ないものねだり」をしても仕方ないので、自分達が安心して旅行するために、「何が必須」なのかを自分自身できちんと交通整理しておきましょう。あなたのことを、受け入れ先の方は『知りません』。
 
理解して貰っていないところがスタートラインです。面倒な話ですが、まずはここを出発点にしましょう。
 
 

●先方の旅館、ホテルが「YES」「NO」で答えられる質問をする

 
自分がどこまで出来るのか、何についてはサポートが必要なのかを明確に伝える必要がありますが、最初からあまり細かいことを言うと、先方がドン引きすることがあります。なので、受け入れ先に電話をするときは、先方が「YES」「NO」で答えられる質問を積み重ねて行きましょう。
 
<質問の例>
 
・そちらの旅館(ホテル)では、車イスの宿泊客を受け入れたことがこれまでにありますか?
・玄関から客室までの間に段差や階段はありますか?
・車イスのまま入れる、広いトイレはありますか?
・エレベーターの奥行きは80センチ以上ありますか?
・車イスでの宿泊に対応した客室はありますか?
・レストランのイス、テーブルは動かせるものですか?
・食事のメニューを事前に教えて貰うことは出来ますか?
・貸切で入れるお風呂はありますか?
・お部屋のお風呂は温泉ですか?
 
これらの質問であれば、電話に出た人があまり難しく考えずに「YES」か「NO」で回答できるはずです。
そして、やはりこう言った電話のやりとりから「車椅子を使う宿泊客」の受け入れに慣れているかが判るのです。私は宿を選ぶ基準はふたつだと考えています。
 
ひとつは、「一年中、車イスを使う宿泊客を受け入れているので、臨機応変な対応に慣れている」こと。
もうひとつは、出来ること、出来ないことが明確で、やたら大丈夫ですなどと安易な返事をしないことです。
 
 

●事前期待を低くしておく

 
温泉に入りたい(多くの場合は入りたいではなく、「入れてあげたい」だと思います)気持ちが強すぎると、現地でうまく行かないことがあったときに、強いストレスを感じてしまったり、クレームという形で旅館やホテルに抗議をするような事態になることがあります。これはとても不幸なことです。せっかくの楽しい旅行が台無しになってしまってはもとも子もありません。
 
諦めることも必要、と言ってしまっては怒られるかも知れませんが、障害や病気に合わせて改造しているご自宅と異なり、旅館やホテルは「最大公約数」的に作られているので、100%満足、100点満点ということは少ないのが現実です。
 
「温泉に入れなかったら、諦める」ことも、時には必要になります。そして、温泉のみが旅の醍醐味ではありません。美味しい食事、家族との楽しい時間。そして何より、日ごろ、介助や介護でお疲れのご家族や、障害がある子供さんのご兄弟が日ごろ我慢していることを、旅先で解放され、気持ちをリセットすることのほうが、大切ではないかと、私は考えています。
 
違うご意見もあると承知の上で、私は「温泉だけが旅行じゃない」とお伝えしたいのです。
最後に、本当に大切なことをお伝えします。それは障害がある方や介護されているご本人よりも、ご家族の笑顔と満足にスポットを当てて欲しいのです。
 
福祉に「レスパイトケア」という言葉があります。ご家族の休息です。
頑張りすぎないで、どうか、あなたの休息のために旅行を計画してください。
 
日ごろ、もう十分に頑張っているのですから、旅行の計画段階や旅行当日まで頑張らないでください。

「また、旅行に行こう」と家族全員が思えるような、そんな旅を計画してください。

良い旅になりますことを、心から願っております。

 
 

1.ご面倒でも、お客様ご自身で直接旅館や観光協会に電話をして頂くことをお勧めします

お体のご様子や、どの程度体が動くか、注意点は何かなど、ご家族がいちばんよくわかっていますので、出来るだけ間には人を入れず、直接お問合せ頂くのがいちばんです。

ご面倒とは思いますが、直接、電話をされてみて、対応の仕方や、こちらの希望にどこまで配慮してくれるかなど、確認をされてから予約されることをお勧めします。

2.対応に慣れている旅館をまず予約する

あくまで私たちの経験や主観でしかありませんので、参考程度にご覧頂きたいのですが、
以下のホテルや旅館が、お体に障害がある方の受け入れに慣れています。

ご興味があれば、ぜひ、直接お電話をされてみてください。

 

信州あさま温泉「玉の湯」のバリアフリールーム

3.お勧めの観光地をホテル、旅館に聞く

ホテル、旅館を予約したうえで、宿泊施設の周辺にあるお勧め観光地を聞くと良いと思います。

4.雑誌などで情報を得る

もう少し詳しく情報が欲しいということであれば、バリアフリー旅行に関する雑誌を
購入すると良いと思います。

じゃらん「バリアフリー旅」

・バリアフリー温泉で家族旅行(山崎まゆみさん著)

車で気軽にバリアフリー旅

全国バリアフリー旅行情報(ホームページ)  

5.入浴サポートなどが必要な旅行の御相談
 
京都に「夢ツーリストきたみ」さんという旅行会社があります。代表の北見社長は、30年以上のバリアフリー旅行の実績と経験をお持ちで、入浴介助についても経験や知識をお持ちです。
 
関西圏のお客様(又は全国から京都方面に旅行されるお客さま)で、バリアフリー旅行や入浴介助が必要な旅行をご計画の方は、ホームページよりお問合せをされてみてはいかがでしょうか。
 
「夢ツーリストきたみ」さんは、日本でいちばん「障害がある方の入浴」にご見識をお持ちの会社であることを、私が保障します。
 
 
 
文責:ベルテンポ・トラベル 代表 高萩徳宗