バリアフリー個人旅行の心構え

こんにちは、ベルテンポ・トラベルの高萩です。

ベルテンポ・トラベルには、他社で断られたり、どこに相談して良いか分からない方から、多くのご相談をお受けしています。特に多いのが、ご家族だけで旅行をしたいという「個人旅行」の相談です。

あいにくベルテンポでは現在、「個人旅行の手配だけ」はお引受けしていないのです。
ご夫婦やご家族だけでも、たとえおひとり旅でも、添乗員(旅程管理者)の同行する旅行しかお手伝いをしていません。

なぜなら、障害がある方やご病気の方が、家族や仲間と一緒に「自分達だけ」で旅行をするのは大変です。準備はもちろん、予約手配、旅行中のさまざまなトラブル、想定外のことを乗り越えて、安全で楽しい旅にしなければなりません。これは想像以上に大変なことなのです。

その一部=相談、日程作成、予約手配だけをサポートして欲しいとのご依頼を多くの方から頂くのですが、私たちは、お引受けをしていないのです。

個人旅行はお客様のお体のようすはもちろんのこと、旅の経験値、予算、旅に対する考え方、旅のリスクをどこまで取れるのかなど、広範囲にわたりお伺いして準備する必要があります。お客様の性格や考え方、価値観などを充分に理解して手配をする必要があります。

お逢いしたこともなく、一緒に旅をしたことがないお客様だけを旅に送り出す勇気が私たちにはありません。

(一度、一緒に旅をして寝食を共にすると、お客様の趣味嗜好性格考え方、価値観がとても良くわかりますのでおの場合は手配だけでもお受けできる可能性はあります)

添乗員同行をお引受けの条件にお引受けしているのは、それなりに理由があります。お金儲けとか、旅費を高く貰いたいとか、そんな卑しい理由ではありません。私たち添乗員は「旅程管理」のプロです。旅程管理とは、この旅行が円滑に進み、お客様がストレスを感じることなくリラックスした旅ができ、そして安全で安心な旅になるよう、現地において、仕上げの「微調整」を行う業務です。

何もないのが当たり前ですから、旅程管理の仕事は外から見えにくいのですが、五感全体のアンテナを思い切り立てて、安心、安全の旗を守っています。

こういうこと書くと、脅かしているみたいで気分を害される方もいらっしゃるかも知れませんが、トラベルはトラブルです。何もないのは奇跡です。

雨が降ったり、飛行機が遅延、キャンセルになったり、荷物が出て来なかったり、車イスが壊れたり、体調を崩したり、チケットをなくしたり、財布を盗まれたり、ホテルの部屋が使いにくかったり、思いがけないことが旅先ではおきます。起きて当然なのです、旅はアウェイなのですから。

私たち旅を生業とさせて頂いているものには、20年、30年の経験値があります。この仕事をしているからこそ、できることがあるのです。これは正直、「旅が好き」というレベルの方とはステージが違います。私たちはお客様の命をお預かりしています。

「お客様だけで旅をする」のは、レストランや飲食で言えば、レシピだけを書いて、材料を買って、最後の調理をお客様ご自身がするようなイメージです。もちろん、美味しい手作りの料理が仕上がるのですが、バリアフリー旅行に関しては、相当な経験値がなければ、現地での思いがけないリスクには対応ができないこともあると、私たちは考えています。

上記の考え方とは異なる考えがあることも承知しています。あくまでベルテンポという、ひとつの小さな旅行会社の代表の考えに過ぎませんので、正しいとか正しくないと言う事ではありません。誤解のないようにお願いします。

ただ、旅先で何度となくトラブルを経験したからこそ、旅行には「見えないリスク」がたくさん潜んでおり、そのリスクを予め想定しておくことも重要だとお伝えしたいのです。

旅は何もないことを前提に作ることはできません。
何かがあっても、その被害や状況を最小限に止め、出来るだけ早く元の状態に回復させることが、私たちの使命です。

ただ、予算的なこともあると思いますし(添乗員の旅費と日当が余計にかかる)、これを安心料と考えるか、そこまでは出せないと考えるか、ひとそれぞれです。もちろん、出せる予算には限りがあることも承知しています。

私は決してバリアフリー個人旅行を否定している訳ではありません。

以前、どうしてもと頼まれて、手配だけをお引受けしたこともあるのですが、正直、どんなに手間暇をかけて手配をしても、お客様の満足度は高くはなりません。帰国後(帰着後)お客さまに旅の感想をお伺いすると、「大変だった」「疲れた」「体調を崩した」という声が本当に多いのです。

それはそうだと思います。健常者の旅行だって疲れるのです、まして障害があったりご病気をされている方を連れて行って、家族も楽しむというのは、よほど心にゆとりがないと難しいのです。

個人旅行をされるときは、ぜひ次の点にご留意ください。

1.準備に時間をかける。出来れば半年前から計画を立てる
2.無理をしない。現地、旅先での予定は何もいれないくらいでちょうどよい
3.旅行会社に過度な期待をしない
4.ホテルや現地受け入れ先にも過度な期待をしない
5.飛行機やホテルなどの手配は出来るだけ自分で行う(良い練習になります)
6.間に人が入れば入るほど、伝言ゲームみたいになると心得る
7.なので、ホテルや航空会社は出来るだけダイレクトに予約し、話をする
8.何事も完璧を求めない
9.お風呂は入れたらラッキーくらいに考える
10.現地で体調が悪くなるのは当たり前くらいに構えて心の準備をする
11.保険には必ず入っておく
12.【重要】障害、病気の当事者よりむしろ家族が楽しめる旅にすると心得る→家族が楽しければ、障害、病気のご本人もきっと嬉しいはずです。

 

当社は手配やプラン作りのお手伝いは出来ませんが、上記のような「考え方」「心得」についてはこれからもご助言、アドバイスできるように情報発信を行って参ります。

よろしくお願い致します。

ベルテンポ・トラベル 代表 高萩徳宗